石川 威弘(いしかわ たけひろ)
パーソナル栄養士/エキスパートファスティングマイスター
パーソナル栄養士とは
パーソナル栄養士のいっしーです。
最近はアマニ油の人気が高まってきていますが、なぜアマニ油が注目を集めているのか知っていますか?
今回はアマニ油がなぜ人気なのか、体にどのような効果があるのか、1日にどれくらいの摂取をすれば良いのかを栄養素の観点から解説します。
アマニ油とは
アマニ油とはアマ(亜麻)という植物の種子(仁)から取れる油のことを言います。
海外ではフラックスシードオイルと言われています。
もともと中東やユーラシア大陸西域で栽培されていた植物で、日本では薬として江戸時代ごろから栽培されるようになりました。
アマニはごまよりも少し大きい種子で、そこから絞り出されるアマニ油は独特の香りと苦味を持つ油となります。
アマニ油の栄養素
現在アマニ油が注目されている主な理由は、人間の体にとって重要なオメガ3脂肪酸を初め、健康のために必要な栄養素が豊富に含まれているからです。
注目されているアマニ油に含まれている栄養素を見ていきましょう。
α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)
アマニ油にはオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富に含まれています。
このオメガ3系脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の一種類で体の中で作ることのできない必須脂肪酸という重要な栄養素です。
オメガ3脂肪酸には魚の脂の中に含まれるDHAやEPAが有名ですが、アマニ油には同じオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸が含まれています。
このオメガ3脂肪酸は血液をサラサラにする血流改善効果や、胃腸の炎症を治め腸内環境や便秘の改善、脳や神経機能の正常化など、さまざまな健康効果が期待されています。
現代人はこのオメガ3脂肪酸の摂取量が少なく、対になるオメガ6脂肪酸の摂取量が多いことから、積極的な摂取が推奨され、魚以外のオメガ3脂肪酸摂取源としてアマニ油が注目されています。
リグナン
アマニ油でもう一つ注目の成分がポリフェノールの一種であるリグナンです。
これはアマニ油独特の香りと色の成分でもあり、色の濃いアマニ油に多く含まれていることが多いです。
このリグナンは強い抗酸化作用を持つほか、大豆イソフラボンのようにエストロゲンと似た働きをしてくれます。
そのため更年期障害を予防・改善する効果や骨粗しょう症を予防する効果、コレステロール値を下げる効果があります。
また内臓脂肪量の減少や、血液中の中性脂肪の低下などダイエット効果も期待ができます。
ビタミンE
ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、アマニ油にも含まれています。
体内の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少など様々な効果があります。
抗酸化作用が強いことから若返りビタミンとも呼ばれています。
オメガ3脂肪酸の摂取量とアマニ油の摂取量
健康に良いと注目が集まるアマニ油ですが、1日どれくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか?
オメガ3脂肪酸の摂取という観点から考えると小さじ1杯程度の量でOKです。
各メーカーのアマニ油はおおよそ100g辺り50~60gのオメガ3脂肪酸を含むため、小さじ1杯のアマニ油には大体2~3g程度のオメガ3脂肪酸が含まれています。
厚生労働省が定めたオメガ3脂肪酸の摂取量は成人男性の場合2.0g~2.2g、成人女性で1.6g~2.0gが推奨されており、小さじ1杯のアマニ油で1日分のオメガ3脂肪酸の摂取が可能となります。
体質改善のためのアマニ油の取り方
仮にアマニ油を取り始めても体の変化を感じない場合は、脂質の摂取量と脂肪酸の摂取バランスを考える必要があります。
オメガ3脂肪酸の摂取で大切なことは、オメガ6脂肪酸というもう一つの必須脂肪酸の摂取割合です。
このオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取割合は1:2〜1:4が良いと言われています。
しかし、食生活が欧米化した人の場合、この割合が1:10〜1:40まで偏りがあると言われています。
これだけ摂取量が偏っている人では、小さじ1杯のアマニ油を摂っただけでは効果がありません。
アマニ油の摂取量を一定期間小さじ2杯~大さじ1杯まで増やして、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やすと同時に、お肉や揚げ物、お菓子類の摂取量を減らしてオメガ6脂肪酸の摂取量を抑える必要があります。
また、オメガ3とオメガ6の脂肪酸の摂取割合が悪い人は、元々の脂質の摂取量が多い傾向にあります。
そのため食生活全体の見直しをして、脂質の摂取量を減らすように努めましょう。
体に良いものを足せば、簡単に体が変わるということはありません。
体に良いものを足すと同時に、体に悪いものを減らす努力もしていきましょう。
また、なるべく品質の良い商品を選ぶことも重要になりますよ。
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アマニ油は体にとって非常に良いものなので日頃から摂取を心がけましょう。
また魚からもオメガ3脂肪酸を摂取できるので、普段の魚を食べる頻度を高めることも効果的ですよ。
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