我流でやる糖質制限ダイエットは身体に良くない5つの理由

いっしー

石川 威弘(いしかわ たけひろ)
パーソナル栄養士/エキスパートファスティングマイスター
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いっしー
こんにちは。パーソナル栄養士のいっしーです。
最近はダイエットの主流となった「糖質制限ダイエット」ですが、実は体に悪いということをご存知でしたか?
しっかりと医師や専門家のサポートを受けながら取り組む専門的な糖質制限であればまだ安心ですが、ネットの情報を頼りに我流で糖質制限ダイエットを行なってしまうと体にとって良くない変化も起こります。
今回は我流でやる糖質制限ダイエットが良くない理由をご紹介します。

糖質制限ダイエットの発祥

今流行っている糖質制限ダイエットとは、ご飯やパンや麺などの主食をはじめ、糖質を含む食品の摂取量を制限することで体重を落とすダイエット法として主流となっています。

この糖質制限という考え方は、糖尿病患者への食事療法からきています。

糖質の量を制限することで血糖値コントロールを正常化する効果が期待できることから、一部の病院で食事療法として使われています。

初めは病院の食事療法として使われていましたが、血糖値のコントロールとともに体重の減少も見られたことから、食事療法から徐々に一般的なダイエット法として浸透していきました。

しかし、この糖質制限は医師の中でも賛否が分かれるようで「糖質制限を支持するか」という質問に対して医師の4割は否定的な意見を示しており、4人に1人は慎重な姿勢を示すといいます。※1

糖質制限の正確な定義というものも存在しておらず、実はまだわかっていないリスクもあります。

最近では「糖質制限をすると寿命が短くなる」という研究結果も出てきています。※2

医学的にもまだわからないことが多いのが糖質制限であり、こうしたダイエット法を独学で取り組むことはリスクのあることでもあります。

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我流の糖質制限ダイエットが体に悪い5つの理由

ここからは我流でやる糖質制限ダイエットが栄養士としてオススメできない理由をご紹介します。

筋肉量が減る

人間の体は糖質からエネルギーを生産するように出来ていますが、体に入ってくる糖質が減ると体を維持するために、別のところからエネルギーを生産しようとします。

この体の働きを専門用語では糖新生といいます。
糖質の摂取が少なくなると体の中のタンパク質をエネルギーに変えるようになります。

体の中のタンパク質。つまり筋肉です。

糖質を制限することで自分の体の筋肉を分解してエネルギーに変えてしまうので筋肉量が減る恐れがあるのです。

筋肉量が減ると体の基礎代謝が低下し、リバウンドしやすい体となってしまいます。

糖質制限ダイエットを初めるとすぐに体重が減る人もいますが、これは体の中に蓄えている糖質(グリコーゲン)の減少と水分量の減少であり、実際に脂肪が燃焼しているわけではありません。

そして、体の中の糖質が枯渇してくると筋肉が分解されていくので、体重は減っていきますが、実質的なダイエットにはなっていないのです。

骨が弱くなる

糖質制限ダイエットを長く続けていくと糖新生が進み、次第に脂肪の燃焼が始まります。

そのため確かに糖質制限はダイエット効果があります。

しかし、糖質制限ダイエットで気をつけなければならないのが、脂肪の燃焼とともに骨が弱くなるリスクです。

糖質制限ダイエットをすることで脂肪が燃焼し始めると、ケトン体という酸性物質が体から出てきます。

このケトン体が体から常に出ている状態だと血液が酸性に傾いてしまいます。

血液は元々弱アルカリ性で、酸性に傾くと体はアルカリ性に戻そうと働きかけます。

どのように酸性へ傾いた血液をアルカリ性に戻すかと言うと、骨のカルシウムを血液に流し込むことでアルカリ性に戻すのです。

これを脱灰といいます。

少し詳しい方だと、ケトン体だけで血液がそこまで酸性に傾くことはないと言う方もいるかも知れません。

しかし、糖質制限ダイエット中は普段よりも動物性タンパク質の摂取が多くなりがちです。中にはプロテインを活用される方もいるでしょう。

動物性タンパク質自体が酸性食品のためケトン体と合わせて血液が酸性に傾くことに繋がり、結果として脱灰を引き起こすリスクが発生してきます。

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肝臓への負担が増える

炭水化物・タンパク質・脂質の中で唯一肝臓に負担をかける栄養素がタンパク質です。
タンパク質には窒素が含まれており、消化吸収する過程でアンモニアを生成します。
アンモニアというと中学生の実験で臭いを嗅いだことがある方もいらっしゃると思いますが、体にとって有害な物質です。

人間の体はタンパク質を分解する過程で出てきたアンモニアを肝臓で解毒し体の外へ排出します。
動物性タンパク質は解毒が必要なため、普通の栄養素よりも肝臓に負担をかける栄養素なのです。

糖質制限ダイエットでタンパク質の分量を増やしてしまうと、肝臓への負担が多くなってしまいます。

糖質制限ダイエットは「老化が進む」「寿命が短くなる」と言われているのは肝臓への負担が大きいからとも考えられます。

心臓病のリスクが上がる

糖質制限ダイエットをしている人は心臓病のリスクが上がるという研究結果もあります。

糖質を制限するとその分の不足したカロリーをタンパク質や脂質から補わなければなりません。
仮に糖質制限ダイエット中にお肉を多く食べるようになれば、タンパク質だけでなく、脂質の摂取量も自然と上がります。

脂質は必要以上に摂取すると血液をドロドロにしてしまうため、血圧が上がり、結果的に心筋梗塞などの心臓病のリスクが上がることになるのでしょう。

添加物の摂取量が増える

糖質制限ダイエットは糖質を減らしタンパク質や脂質を増やすことになりますが、これらの食品は加工食品が多く、添加物の量も多くなる恐れがあります。

お米から炊いたご飯には添加物は入っていません。
それに比べて加工肉などの食品には添加物を多く使っています。

試しにコンビニに入って「サラダチキン」を手に取り、裏面の原材料を見てみると良いでしょう。
サラダチキンには化学調味料や保存料や香料がたくさん使われています。

これは飲食店に入って料理を注文するときも同じ事が言えます。
ファミレスを想像してもらいたいのですが、調理場ではご飯を炊くお店がほとんどでしょう。
ご飯はお米に水を入れて炊き上げるため添加物などは入れたりしません。

しかしお肉料理は加工されたものを温めるケースが多いです。
お店で調理するとしても殆どの場合は工場で作られた合わせ調味料を活用します。
これらのものには多くの添加物が使われています。

ご飯を中心として食事を摂るのと、お肉を中心として食事を摂るのでは、添加物を摂取する量が大きく変わってくるのです。

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糖質制限ダイエットは日本人の身体に合っていない

ここまで糖質制限ダイエットのリスクについてお伝えしてきましたが、そもそも糖質制限ダイエットは日本人の体にあっていません。

栄養学の基本として、PCFバランスという考え方があります。
PFCバランスとは炭水化物(糖質)・タンパク質・脂質から得られるエネルギー(カロリー)の比率を示したものです。

日本人にとって理想的なPFC比率は
P(タンパク質)13~20%(16.5%)
F(脂質)20~30%(25%)
C(炭水化物)50~65%(57.5%)
とされています。

つまり日本人は炭水化物(ご飯や小麦粉)から60%くらいはエネルギーを摂りましょうと言われているのです。

糖質制限ダイエットをしてしまうと炭水化物で取るべきエネルギーをタンパク質や脂質で補わなければいけないため、PFCバランスが崩れてしまい健康的な食事のバランスとかけ離れてしまいます。

パンを主食とした欧米人は炭水化物からのエネルギー摂取量が日本人より少なく、その食生活を長く続けてきているため、タンパク質や脂質から多くのエネルギーを生産することに慣れています。

しかし、農耕民族である日本人はご飯を主食としてきたため、米から摂取する糖質をエネルギーに変えるのが得意であり、肉や乳製品のタンパク質をエネルギーに変えるのは体が慣れていないのです。

 

糖質制限ダイエットをしたい方へ

糖尿病患者への食事療法で行われる糖質制限は医師や栄養士の管理下で糖質の量も130g前後に計算されて行われています。
こうした食事療法では上記のリスクも踏まえながら組まれたプログラムです。

糖質制限ダイエットをしたい方は、ぜひ専門家のサポートの元で糖質量を正確に把握した上で行うことをオススメします。
専門家と言っても上記のリスクをしっかりと把握された方にお願いするといいでしょう。

最近では食事を見直してダイエットをしましょうという考え方が一般的になってきたのは嬉しいことです。
しかし独自の理論でダイエットのサポートをされている方も多く見受けられます。
全ての人がそうとは言いませんが、中には基本的な栄養学をあまり学ばれていない方もおりますので、サポートを受ける際にはよく考えて判断する必要があるでしょう。

また、糖質制限ダイエットに取り組む場合は正しい糖質制限の考え方を理解することも必要です。
正しい糖質制限の考え方もご紹介してますのでこちらも合わせて読んでみてくださいね。

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いかがでしたか?
我流でやる糖質制限ダイエットは筋肉量を減らし、骨をもろくして、たとえ体重は落ちていても、やつれてしまっていることがあります。
無理な糖質制限ダイエットは体に良くないのでやめておきましょう。
正しいダイエットはやつれるのではなく健康的になり、同時に体重が落ちるものですよ。

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