パーソナル栄養士のいっしーです。
いつまでも若々しく、最後はぴんぴんころりで、死ぬ直前まで元気でいたいと思いますよね。
日本の平均寿命はどんどん伸びていっている一方、何歳まで元気な身体を保てるかを見る健康寿命は手放しに喜べるほど伸びてはいません。
そこで今回は長寿の秘訣についてとある本を読んで思ったことを記載します。
参考にした本
今回の記事を制作する上で参考にしたのが「今村式 断食療法のすすめ」という本です。
こちらは昭和の時代に起こった「カネミ油症事件」で公害物質が身体に入り込んでしまった患者さんを断食療法で治療を行ったお医者さんの本です。
いっしー こんにちは。エキスパートファスティングマイスター・パーソナル栄養士のいっしーです。 みなさんはカネミ油症事件というものを聞いたことがありますか? 日本最大級の食品公害事件と言われています。このカネミ油症事件の際に[…]
こちらの本は1988年に書かれた本なのでもう30年以上前の本なのですが、当時の80~90歳の食生活などが書かれていました。
その内容を踏まえて長寿の秘訣について考えてみます。
昭和時代の食生活
今村先生が活動されていたのはだいたい昭和20年代〜昭和60年代です。
つまり戦時後からバブル経済を経て昭和の終わり頃です。
この時代の日本人の食生活に関して本の中では紹介されていました。
昭和39年(1964年)当時、淡路島の五色町というところで開業医をされていた今村先生は五色町には元気な80代90代が多く、その高齢者の方々に共通する食生活についてまとめています。
・今のような白米ではなく、5分つき米と押し麦であった。
・新鮮な野菜をたくさん食べていた。
・魚はサワラやマグロなど大型の魚よりも小魚を中心に食べていた。
・わかめや青のりやひじきなど海藻類も豊富に食べていた。
・高度経済成長期になるまでは豚肉や牛肉を食べている人は皆無であり、鶏肉や卵もめったに食べず、牛乳は病人が時折飲むくらいのものであった。
・殆どの家庭で味噌は手作りであり、豆腐や高野豆腐などをたくさん食べていた。
今よりも圧倒的に肉や乳製品の消費量が少なく、魚と大豆からタンパク質を取っていたことが伺えます。
また、お米は白米を食べておらず、野菜と海藻の消費量が今よりも多かったようです。
昭和の栄養学
こちらの本には元気な高齢者の人たちの食生活と共に、昭和の頃の栄養学の考え方も紹介してありました。
そこには今から考えると常識はずれな内容も多く伺えます。
今村式 断食療法のすすめ 今村基雄著
今村式 断食療法のすすめ 今村基雄著
今村式 断食療法のすすめ 今村基雄著
当時の専門家が肉食を進めている様子が書かれています。
またマクガバンレポートについても触れられており、日本が上記のような栄養学の考え方をしていた頃に、アメリカでは従来のアメリカ式の食生活では生活習慣病やガンの進行を進めてしまうということに気がついてきている事も書かれています。
さらに当時の農林水産省が日本型の食生活をまとめた内容があり、
・穀類やイモ類の比率が高く砂糖の摂取量が少ない
・動物性たんぱく質と植物性タンパク質の比率がほぼ同じで、アメリカよりも動物性タンパク質が少ない。
・動物性タンパク質に占める水産物の比率が高い。
・野菜や海藻類を多く食べているので、食物繊維は充分摂取されている。
とまとめてあります。
アメリカがこのままの食生活ではまずいと考えていた食生活を日本人が一生懸命真似しようとしている様子が伺えます。
昭和の頃の栄養学が今から考えると如何にデタラメを言っていたかがわかります。
昭和初期のおじいちゃんおばあちゃんと令和の高齢者のイメージは全く違いますが、戦後の国を上げた栄養啓発運動が関係しているようにも感じます。
昭和の時代に間違った栄養学が長寿の秘訣が塗り替えられてしまったようにも思えます。
長寿の秘訣について
本題の長寿の秘訣についてですが、一昔前には悪とされていた「粗食」が良いのではないかと思います。
粗食でも献立次第で五大栄養素は過不足無く摂ることができますし、現代栄養学で考えてもお肉や乳製品を積極的に食べないと行けない理由はそこまでありません。
それ以上に欧米型の食生活で起こり得る生活習慣病の方がリスクなのではないかと思います。
粗食の献立を選ぶことで最近注目されているオメガ3系の脂肪酸を多く摂ることができるほか、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分も多く摂ることが出来ます。
いっしー 石川 威弘(いしかわ たけひろ) パーソナル栄養士/エキスパートファスティングマイスター パーソナル栄養士とは 食べながら健康痩せができるダイエット法を公[…]
また、合わせて白米ではなく分つき米を食べることをオススメします。
昔の長寿の方々も分つき米と押し麦を食べていたのは意外でした。
いっしー こんにちは。 パーソナル栄養士のいっしーです。 みなさんは分つき米というものをご存知ですか? 僕が最もオススメしているお米は分つき米なんです。 今回は分つき米についてお伝えします。 […]
栄養学に関しては時代を振り返ると間違っていることが多々あります。
科学的に紐解くことはとても大切ですが、先人の知恵を借りることも大切ではないかなと考えています。
そういう意味で淡路島の五色町の長生きされた方々の食習慣は見習うべきところがあるかも知れませんね。
長寿大国日本を作り上げていたのは、一昔前は食生活が起因となっていましたが、最近では医療の発達が長寿を支えているように感じられます。
超高齢化社会に突入する日本は超高齢化超健康長寿大国になれるといいですね。
そのために少しでも貢献できればいいなと思っています。